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ラ・シャブリジェンヌ

本拠地  : シャブリ村
代表者  : アラン・コルネリサン
醸造責任者: エルヴェ・ツキー
生産量  : 約6万5000hl
所有畑  : 合計1,130ha以上(組合員数200軒以上)

<ワイナリーの歴史>
  ラ・シャブリジェンヌ社は、1923年にシャブリ地区の優秀な葡萄栽培農家を中心に結成された協同組合です。ラ・シャブリジェンヌ社は、当初、一握りの葡萄栽培に携わる開拓者の集まりでしたが、今日では約300軒に及ぶ葡萄栽培農家が参加しています。所有する葡萄栽培面積は1,200ヘクタールで、7つのグラン・クリュと30以上のプティ・クリュを擁し、シャブリAOCを名乗ることの出来る20の町村にまたがっています。

<特 徴>
  ラ・シャブリジェンヌでは、農民が持ち込む葡萄からそれぞれのテロワールの個性を発揮させるような丁寧な醸造を行い、その基準に合うワインだけが瓶詰されます。
  さらに、生産量はシャブリ全体の25から30%に相当し、生産量の大部分を所有葡萄畑から生産している為、その葡萄栽培方法や醸造管理方法、またワインの価格政策はシャブリ全体に多大な影響をもたらし、シャブリ地区の品質維持にも重要な役割を担っています。

<ワイン造り>
  圧搾は組合員が行い、マストが醸造所に持ち込まれます。12から24時間かけてデブルバージュが行われ、村名と一部の1級がステンレス、1級の一部とグラン・クリュの一部がステンレスと木樽の併用、そしてグラン・クリュの一部が木樽を使い20度で醗酵。マロラクティック醗酵終了後に一度目の澱引きを細かな澱は残して行い、シュール・リー熟成。アッサンブラージュ時に二度目の澱引き。新樽比率は40%以下。ベントナイトで清澄され、軽く濾過されます。



 


ドメーヌ ・ ジャラール ・ デュプレシス



昔ながらのしっかりと熟成するシャブリを生むつくり手

設立は1895年と100年以上にわたって、ここシャブリの地でワインを生んできたドメーヌを、現在4代目のジェラールが二十歳そこそこの息子リリアンと運営する。所有する7ヘクタールほどの区画の大半はプルミエ・クリュ――3ヘクタール弱のモンマンを筆頭に計4区画――で、他にグラン・クリュのレ・クロとACシャブリの、合わせて1ヘクタールほどがある。

樹齢の平均がおよそ30年とよい加減にあるぶどう樹は、ヴァンダンジュ・ヴェールトをおこない収量を抑える。発酵はイノックスだが、ドメーヌでは樽で熟成させるという伝統的な手法を欠かさず、プルミエ・クリュで1割程度の新樽と旧樽を用いる。マロラクティーク発酵を終了させ、その後再びイノックスで熟成。ヴィンテージにより、コラージュ、フィルターは適宜。

生み出されるワインは果実味だけではない骨太さといったものを感じさせる、しっかりとした構成の昔ながらのシャブリ。しっかりといっても、酸のみが突出したようなワインではなく、ミネラルなど全体を支える要素も十分に備わっているため、酸とのバランスがとれるにはやはり時間を要する。そのため市場には数年間の瓶熟成を経て出すことから、他のつくり手に較べ最新ヴィンテージのリリースは常に遅い。

ワインは、シャブリらしい北の風土をそこはかとなく漂わせ、アフターの心地よさも出色。そしてイノックスだけで仕上げた果実味が前面に出たワインとは明らかに異なる、樽をかけた複雑さといったものが実感できる。ヴィラージュ・クラスでも落ち着いた風味、味わいが愉しめるが、お得意のプルミエ・クリュになるとクリマ毎の差異もよく感じられ、シャブリというアペラシオンの奥深さが十二分に堪能できる。さらにより濃密でたっぷりとしたレ・クロは、さすがグラン・クリュの貫禄を感じさせる出来栄え。

2004年は、前年のあまりにもヴィンテージの色に染められてしまった2003年に較べ、シャブリらしいテロワールを感じさせてくれるワインに仕上がり、数年後のリリースが待ち遠しいものとなっている。2005年の6月にはカーヴも増設し、地道ながら堅実な歩みを続けるドメーヌ・デュプレシスである。




ドメーヌ ジャン・クロード・ベサン

昔ながらの、引き締まった酸とミネラル分を感じさせるシャブリを生むつくり手

シャブリの町の北西、5キロメートルほど、フルショームの対岸に位置するラ・シャペル=ヴォーペルテーニュの集落に拠を構えるジャン=クロードが、ふたりの息子とともに12ヘクタールのドメーヌを運営。ジャン=クロードで現在4代目となるが、ドメーヌの歴史は19世紀後半の1878年まで遡ることができる。

12ヘクタールと割合広めの畑を所有するドメーヌのぶどうは、ヘクタール当たり6,200本という植栽密度で、平均樹齢はグラン・クリュのヴァルミュールが34年、プルミエ・クリュではモンマンが30年だが、フルショームには75年というヴィエーユ・ヴィーニュの区画もあり、平均で40年弱。ACシャブリが40年ほどといった具合。収穫は当然手摘みで、ヘクタール当たり35から40ヘクトリットルというかなりの低収量に徹している。

選果は畑でおこない、すぐにドメーヌに運んで直ちに圧搾。デブルバージュの後アルコール発酵となる。ACシャブリとフルショームは20から80ヘクトリットルの小さめのタンク――近年発酵槽をコンクリートからイノックスに替えた――での発酵だが、グラン・クリュのヴァルミュールとプルミエのモンマンは、最近一部樽発酵を取り入れるようになった。熟成もこの2銘柄には2割ほど樽を用いる。その後マロラクティーク発酵もしっかりおこない、数回のオリ引きを経たのちに軽く清澄し、フィルターをかけて瓶詰め。低温での酒石落しはおこなわない。

できあがるワインは当然アペラシオン毎に風味、味わいともに異なるが、いずれもシャープな酸がバックボーンを支えながらも、ふくよかさを感じさせるバランスのとれたもの。その典型がACシャブリで、キリッとした味わいに北の大地のテロワールが十分に体現されている。プルミエ・クリュになるとキレに厚みが備わるが、フルショームとモンマンでは味わいは異なり、フルショームのほうがよりまるみを帯びた印象。ヴァルミュールはさすがグラン・クリュと思わせる深み、複雑さが増し、より風格のある1本となっている。

たいへんポピュラーな銘柄のシャブリだが、その酒質は様々。昔ながらのキリッとしたタイプをお望みならこのジャン=クロード・べッサン、一押しである。

 

 


ドメーヌ ロベールヴォコレ

安心でき、うまみある典型的なシャブリを生むドメーヌ

総面積40ヘクタール以上――ACシャブリとグラン・クリュ、プルミエ・クリュの広さがほぼ半々という割合のため、グラン・クリュで4区画、プルミエ・クリュも6アペラシオンを所有するというクオリティの高さ――を誇るシャブリ有数のドメーヌだが、生み出すワインはテロワールをきちんと体現し、この地独特のキンメリッッジ階に由来するシャープな酸とミネラルに富んだもの。完成度の高い安定した酒質はその価格と相俟って、今やシャブリにおけるスタンダード的存在といっても過言ではない。現在は、ドメーヌ・ヴォコレの名を高らしめた祖父ロベール――優れたワインのつくり手であると同時に音楽にも造詣が深く、1960年代にはシャブリの村に音楽学校を設立するという経歴の持ち主でもある――の後を継いで、パトリスとジェロームがドメーヌを取り仕切っている。

シャブリでは果汁、ワインに一切木を触れさせずイノックスだけで仕上げるつくり手と、逆に全ての過程に木を用いる流れがあるが、このヴォコレはそれらの中間ともいうべき位置にある。発酵はイノックスにフードルも併用しておこない、熟成も同じくACシャブリはイノックスでおこなうものの、ヴィエーユ・ヴィーニュやグラン・クリュにはごくわずかの新樽も用いピエスやフードルでおこなう。生まれるワインは研ぎ澄まされたピュアな酸にふくよかさが合わさる、これぞ伝統的なシャブリといった風味と味わいのもの。

ヴォコレの大きな魅力のひとつに、クリマ毎の違いが歴然と感じ取れることが挙げられる。例えばドメーヌが所有しているグラン・クリュのブランショとレ・クロでは、隣り合っているにもかかわらず、南東と南西向きという斜面の異なり、また地質、土壌の違いが如実に風味、味わいに反映し、テロワールの違いをしっかりと体感できる。また、通常のキュヴェと異なるラベルのヴィエーユ・ヴィーニュは色合いも濃く、味わいのシャープさをまろやかさが包み込んで、グラン・クリュ並みの奥行きと深みが愉しめる。通常のキュヴェと価格はさほど変わらないため、カリテ・プリな度合いは大きく、人気も高い。

ドメーヌでは酷暑だった2003年ヴィンテージも、シャブリらしい酸がきれいに全体を引き締めて全くダレたところなく、完成度の高いワインとして仕上がった。しっかりした酸と、豊かな果実味をともなったシャブリらしいシャブリを生むつくり手、それがドメーヌ・ヴォコレである。

 

 


ドメーヌ フェヴレ

一般的にネゴシアンと解されているフェヴレ社だが、自社畑産以外のぶどうでつくる、いわゆるネゴシアン・ワインは生産量全体の3割未満ほどしかなく、逆に自社畑産のぶどうから生まれるドメーヌものが7割以上を占める。これは普通一般のネゴシアンが生産するワインの割合とは180度異なっているが、その秘密は同社が所有するぶどう畑の広さにある。120ヘクタール近くと広大な畑は、ほぼモレ=サン=ドニ全体の総面積に匹敵し、ブルゴーニュ地方で一、二を争う大ドメーヌ、というのが実際のフェヴレ社の姿なのである。
そして120ヘクタールに達する自社畑の3分の1、40ヘクタール強がコート=ドールにあり、シャンべルタン・クロ・ド・ベーズ、コルトン等の赤のグラン・クリュ、そのほとんどに区画を所有、それらの合計は10ヘクタールにもなる。また1級畑も合わせて10ヘクタール強の区画があり、40ヘクタールの半分をグラン・クリュとプルミエ・クリュで占める、という単に広さのみならず質の面での同社の力量のほどが頷ける。

また、近年人気となっている産地にコート・シャロネーズがあるが、なかでもメルキュレはその高い酒質で注目を集めている。このメルキュレの陰の立役者がフェヴレ社なのである。同社はこの地に早い段階から目を向け、その質の向上に寄与するとともに畑も多く所有してきた。そして今日では60ヘクタール弱と、総面積650ヘクタールにおよぶメルキュレのほぼ10分の1を占めるまでになり、フェヴレ社はこのアペラシオン随一の大地主となっているのである。

1825年ニュイ=サン=ジョルジュに設立されたフェヴレ社だが、ブルゴーニュ・ワインに果たした役割は単に一ネゴシアンということにとどまらない。1929年、米国に端を発した大恐慌の渦はブルゴーニュ地方をも巻き込み、当然ワインも売れなく、多くの農村は疲弊に喘いだ。現当主フランソワの祖父にあたるジョルジュ・フェヴレは、そんな窮状を打開しようと友人とふたりで様々な画策を行い、1934年、現在ブルゴーニュ地方最大の親睦団体となっている、ラ・コンフレリー・デ・シュヴァリエ・デュ・タストヴァンの創設にこぎつける。また村毎に行われていたサン・ヴァンサンのお祭りも各村の持ち回りとして、一大イヴェントに仕立て上げ、今日に続くブルゴーニュの隆盛のもとを築いたのである。

フェヴレ社の高い名声は、所有する畑の広大さや歴史等々も然る事ながら、なんといっても生み出すワインの秀逸さにある。現在、6代目となる1951年生まれのフランソワ・フェヴレが経営にあたるが、それまでのフェヴレ社はどちらかというとエレガントなタイプで定評があった。 1970年代半ばに父ギィから運営をまかされるや、フランソワは経営のみならずワインづくりにも積極的に関わり、より質の向上を計るため、数々の取り組みを始める。畑においては、健全なぶどう樹の育成と、安定した樹齢を保つため、毎年全ての畑の30分の1ずつを植え替えしている。そしてテロワールを十全に引き出すための土壌の分析を行い、そのもてる力を100パーセントぶどう果に凝縮させるため、ヴァンダンジュ・ヴェールト等、厳しい収量の抑制を行ってきた。更にそうして実ったぶどう果も収穫の際は選果を徹底し、最初は畑で、次には醸造所内で選果台を用いて、という具合に2段階で腐敗果等を除去する。発酵、熟成においては長いマセラシオンによる、より多くの構成要素の抽出、そして使用する新樽比率のアップ等々。コート・ドールのグラン・クリュ、プルミエ・クリュにおいては一切フィルトラシヨンはせず、樽から直接瓶詰め、という徹底した改革を成し遂げていった。その結果、今日のフェヴレ社が生むワインは以前とは較べものにならないほどの高い評価を受けるようになったのである。

セイリングとバッハ??それもグレン・グールドの!??をこよなく愛するフランソワだが、最近もボーヌのモノポール、クロ・ド・レキュを手中に収める等、彼のワインに賭ける並々ならぬ思いは、フェヴレ社の数々の作品として結実しているのである。

 

 


ドメーヌ オリビエ・ルフレーヴ

ドメーヌ・ルフレーヴの名声を築き上げた、故ヴァンサン・ルフレーヴはブルゴーニュ地方における白ワイン造りの伝説的存在となりつつある。その甥であるオリヴィエはワイン造りには関わらず、ミュージシャンとして独自の人生を歩んできた。その彼が自分自身のワイン造りを営むことを決意したのが、1984年のことだった。しかし、彼が目指すワインのスタイルは決して自己主張の強いものではなく、尊敬するヴ ァンサン・ルフレーヴが造っていたワインに限りなく近い、エレガントなスタイルと言える。もともとネゴシアンとしてのイメージが先行しているオリヴィエ・ルフレーヴだが、所在地であるピュリニー・モンラッシェ村のグラン・クリュをはじめ、10ヘクタールにもおよぶ自社畑も所有している。また、ネゴシアンとして買いつけるブドウは、特定の契約栽培者としか取引せず、1989年から醸造責任者に就任したフランク・グリュクスが責任を持って、選定、栽培、醸造までの一貫した管理を行っている。従って、ネゴシアン・ブランドで出荷されるワインは自社畑のワインと比べて大差はなく、安定した品質を保っている。オリヴィエ・ルフレーヴのワインは優しく、気品に満ち、繊細である。テロワールの個性がはっきりと味わいに反映されているワインである。

 

 
 

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